17周年「それはいい!早くもっていけ!」

こんにちは。デルタスタジオの渡辺健介です。
7月17日で17周年。
時間が経つのは早いですね。
あっという間でした。
目の前の生徒達と向き合い、クライアントさんとの仕事に没頭していたら17年。
気づいたら、私もなかなかよい歳になってきました。
これまでゆったり、じっくり、こだわって仕事をして来ましたが「あれっ、時間がない…」
最近、そんな風に思うようになりました。「まだやりたいことの3%もできていないのに、笑」
一説によると“体感時間”でいえば、私の人生時計は21時を回りました。急がねばです。

さて、◯周年といっても、節目の15周年でさえバタバタ生活を言い訳に何も書かなかった私ですが、つい最近大好きな恩師が亡くなったこともあり、そのことも含めこの度記してみたいと思います。
私事となりますが、ご了承ください。

大好きな恩師と言っても、自分の仕事についてほとんど話したことはなかったですし(亡くなる直前までは)、共に仕事をしたことも数多くはなく、仕事面で何かを教わったという感覚も正直ありません。

しかし、「カッコいい大人」とはどんなものなのか。「豊かな生活」とは何なのか。
そんなもっと大切な何かを教えようとしてくれていた気がします。
私だけでなく、彼が接する全ての人に。

この3年、色々と事情があり、諸々のロジを詰めるために、仕事の合間を縫って彼のオフィスによくお邪魔していました。
そうすると、気づいたら数時間…ロジの話は一切せず「よもやま話」が展開。
話題は、あっちいったり、こっちいったり…
パリを大改造したナポレオン3世とオスマンのドラマ…
長嶋茂雄さん、桑田佳祐さん、経営コンサルタントから考える身体知とは…
エアバスとボーイングのシステムの違いからみる地域の特有性がデザインに与える影響…
ルサンチマンがリーダーに及ぼす影響について…
米と仏のテーブルトークの違い。“肩書きego-trip”ではなく”ピュアな知的ego-trip”をせよ…
益田鈍翁の趣味とお金の使い方。そして、遊ぶことの重要性…

最後は「はい!今日は以上です」と一方的に切られ、「えっと、ロジの件ですが…」というと。「はぃ!またにしよっ!」

毎回こんな感じでしたが、お話をお聞きしながら、丸い大理石のテーブルの下でスタッフに(ごめん…長引きそう。社内会議開始時間遅らせて)とラインを打ち、(午後のクライアント会議までにお話が終わるかなぁ…)とヒヤヒヤしながらも、贅沢で、楽しいひと時でした。

そして、センスのよい日本の未来をデザインするためには「豊かな生活」を知っておく必要がある、と色々な世界を私に体験させ、人に引き合わせて下さいました。
豊かというのは、派手な生活という意味では一切なく、純粋に質が高く、joyに繋がる、奥深く、味わいのある生活という意味です。

「いいか、日米を理解するだけでなく、もう1つの視点、第3の視点を持て」
「頭ではなく、肌感覚で理解しなくちゃいけないんだ」
「語彙をもっと蓄えろ。言語力をもっと磨け」
「この本は読んだ?(=no)これは?(=no)じゃあ、これは?(=no)で、何を思った?ねぇ…?」

今、彼の書籍をゼロから全て読み直していますが、彼が社会に提言して来たことは、彼の知性や書籍から得た膨大なる知識だけではなく、自ら意識的に積んだ実体験とそこから得た肌感覚から導き出されたものであることを改めて痛感しています。
だからこそ、未来を予言し、豊かなビジョンを描けたのだと。

彼の具合が悪くなっていくと、よく電話で話をしていました。
ブルブルブル…電話がかかってくると「なんか明るい話をしてくれ。今日は何かないの?いい話」
「う〜ん…いい話…?」そんな中で、自然とこれまであえて避けて来た自分の仕事の話をちょっとずつするようになりました。
なぜでしょう…直感的にそれが一番喜んでくれると思ったからでしょうか。

ある日、ランニングをしている時に電話が…
恩師「今日はなんか明るい話、何かなぁい〜?」
私「そうですね…あっ、新入社員が来ることが正式に決まりました!etc」
恩師「えっ、それはよかったぁ!!」

ビッグカメラで故障したwireless earphoneの修理待ちの際に、ふと電話をしてみると…
私「調子はどうですか、今日は?」
恩師「え〜、よいわけないだろぉ…で、いい話は?」
私「うーん…そうですねぇ…(少し、考えていると)」
恩師「まぁいいや、今日はもう疲れた。寝る!」
私「了解です!」
恩師「ガチャ」
そう、あの「ビィッグ、ビィッグ、ビィッグ、ビィッグカァメェラァ〜!🎵」と背景で音楽が流れる中…

ある日はタクシーで慌ててクライアント先に移動中に、リンリンリン…
恩師「今日はぁ?」
私「そうですねぇ…あっ、“考える紙芝居”※っていうものを今作ってまして…etc」
恩師「それはいい!!!凄くいいっ!!(=これまでない位に興奮し、大声で)早くNHKに持っていった方がいい!!」
私「佐藤雅彦さんにもお会いしにいった方がいいですかね?もう、ずぅ〜っと、いつの日か…と、気になっていて」
恩師「早く行きな!すぐ行きな!」

そんな中、私が長期海外出張に行くことに。そして、私が海外出張の帰り、アムステルダム空港で乗り継ぎをしている際に、電話が掛かって来て、彼が亡くなったことを知りました。
私は元々は2日前に帰国することになっていたのですが。

“知の巨人”と、日本人からも、海外の方々からも尊敬され、愛される方でした。
共通の知人である元PixarのCFOとしてDisneyへの売却・統合を成功させた友人に恩師が亡くなったことを伝えると…
”He was such an amazing guy…”と返信が来ました。
その友人が”He is amazing”と目をキラキラさせながら人を褒めたことを聞いたことがあるのはこれまで3人。
Steve Jobs、 Bob Iger、そして恩師です※※。
恩師は残りの2人に全く引けを取らない。
むしろ、その2人が恩師のニックネームを呼んで、寄ってくるのが想像が付くような方でした。
まさに堂々たる日本人。

そんな彼も「身体知は一代で終わるんだよ…」
恩師は、最後どこか寂しい気持ちもあったのではないかと推察します。

これから、自分の能力の許す限り己の身体知を磨き上げつつ、誰もが身体知を鍛錬できる拡張性ある仕組みを作るべく挑み続けたいと思います。

「早く行け!すぐ行け!」
「身体知を鍛錬する拡張性ある仕組みをつくる」

ということで、長くなりましたが、少し加速できればと思います。
私たちなりに。

最後に…恩師が凄いのは、彼に対して私のように感じている人、
私以上に感じている人が何百人も、何千人もいるということです。
本当に器の大きい人でした。

ご冥福をお祈りします。
本当にありがとうございました。
そして、これからも宜しくお願い致します。

みなさま、よい週末をお過ごしください!

渡辺健介

※「考える紙芝居」とは今温めている子供向けのコンテンツです
※※ Steve JobsとはAppleの創業者&元CEO。 Bob IgerとはDisneyのCEO

元慶應高校野球部員達とお祝い!引退と起業と

こんにちは。デルタスタジオの渡辺健介です。
先日、元慶應高校野球部員のみんなとお祝い会をしました。
みんなとのご縁は2008年の16年前から。上田誠監督に野球部員の皆さんに「世界一やさしい問題解決の授業」を教える貴重な機会を頂いたことがきっかけです。
今回のお祝いは2つ。1つ目は山﨑錬のENEOS引退祝い。そして、2つ目は鈴木兄弟の起業祝いです!
詳細は以下に記させて頂きますが、社会人になっても、野球の世界、そしてビジネス界の第一線でイキイキと活躍する姿に感動。沢山の刺激を頂きました。
なんともいえない、嬉しく、楽しく、幸せな気分に満たされる時間でした。

彼らのことを少しご紹介させてください。
46年振りに夏の甲子園に出場し、ベスト8まで進出したメンバーの今です。

山﨑錬(写真1番左)は、慶應高校野球部で主将として甲子園ベスト8に導き、慶應大学野球部でも主将。
ENEOSでも主将としてチームを率いて2022年に優勝を果たしたリーダーシップ抜群、みんなに愛される男です。
勿論、選手としての実力もピカイチ、ベスト9にも選出。
これからは、指導者側に回るのか…?実現する日が今から楽しみです。
錬、お疲れ様でした!手元が寂しいと思うので、これからは両手にウクレレを、笑。
そのうち一緒にバンドやろう!
こちら、錬に関する記事です!
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77977570W4A120C2US0000/
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/baseball/hs_other/2024/01/06/post/

田村圭は(写真左から3番目)、甲子園を沸かせた身長186cmの左腕。
私の当時の彼のイメージは、打者を三振に打ち取り、「おりゃー!」と雄叫びをあげる姿、笑。
ライオンの様に逞しく、闘志みなぎる、強いオーラを放っていました。
三菱商事を飛び出し、自らスペインのビジネススクールに留学(英語、スペイン語、いつの間に!?)
いまでは、Amazon Web Serviceで最先端のAIの仕事を。
引き続き、芯は変わらず、最先端のビジネスに挑む、朗らかで、やさしいパパに。
こちら、田村に関する記事です!
https://www.kanaloco.jp/sports/baseball/hsbaseball/entry-34393.html

そして、4番打者として甲子園を沸かせた鈴木裕司(写真1番右)。
慶應高校で「選択の授業」の中で飲食店を立ち上げるプロセスを通じて問題解決を教えた際に、鈴木は左手には2Lのポカリスウェットを、右手にはコップを持ち、「おい、買うか?」と裕司の手で緩くなったポカリを先輩達に対しても堂々と売り歩いていた男。
結果は、なんと利益ほぼ1位の僅差2位。やはり飲料に対する天性のセンスがあったのか、今では大手酒類メーカーのマーケティング部門で活躍中。
さらには、つい最近弟の鈴木健介さん(写真右から2人目)とYK BROTHERSという野球グローブ会社を起業したとのこと。
弟の健介さんも早稲田の野球部で活躍し、甲子園に出場。現在は、電通で広告・ブランディング・戦略コンサルティングの仕事をしながら副業で兄と共に起業。

副業の起業を通じて、商品企画、製造、マーケティング…と経営全体を見ているので、その経験が2人の本業にも生かされていることのこと。
まさに良循環。副業という仕組みを活かしたベストプラクティスですね。
2人の活動に今の時代を生きる重要なヒントがあるような気がします。

早慶で計4度甲子園出場の鈴木兄弟が仕掛けるグローブブランドYK BROTHERS。
ロゴもかっこよく。キャッチコピーは「Be a thinker!」。是非、覗いてみてください。
https://yk-brothers.com/
こちらの記事も是非!

早慶で計4度甲子園、兄弟に再燃した「野球熱」 お祝いが転機…社会に活かす“財産”

みんな、花をありがとう!
なぜかお花を頂きました、笑。
飾らせて頂きます!

みなさん、今日もよい1日を!

渡辺健介

こんな日が来るとは…涙。元生徒からの誕生日プレゼント!

先日、元生徒のカイくんが突然オフィスへ。
しかし、私は会議中…

(すまん、会議中…)と、カイくんに会釈だけしたものの…
スタッフとのやりとりが目の片隅に…

(うん?なんで、カイくん登場?)
(うん?なんで、Poloの袋をスタッフに渡しているの?)
(うん?なんで、カイくんのメッセージビデオのようなものを撮っているの?)

不思議に思い、さっと会議を抜け出し、「どうした?」と聞いたら…

「先生、もうすぐお誕生日ですよね?おめでとうございます」と、カイくん。

デルタスタジオを始めて、あと2日で17年。
こんな日がくるとは…想像もしていませんでした。

カイくん、改めてありがとう!
親にも、妹にも、元先生にも(笑)やさしい、カイくん。素晴らしい医師になってください!

みなさま、楽しい連休をお過ごしください!

渡辺

プリンシパル現る!荒木が入社しました!

こんにちは!
ここまで「あっ、荒木って誰だ!?」シリーズをお届けしてきましたが…
この度デルタスタジオに荒木が入社しました!

実は荒木は、日浦の前職同期。
荒木は戦略コンサルティング会社のBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)でプリンシパルとして、これまで民間・官庁で戦略策定・グローバル&国内の組織改編、社内外の人材育成と幅広いプロジェクトをリードしてきました。
プリンシパルとは、要は「コンサル業界でなかなか偉い人」です!
“優秀で、誠実で、ピカイチの逸材!”と日浦も太鼓判を押す、BCGのスター。
日浦に続き、素晴らしい人材が加わっています!

荒木という頼もしい新戦力が加わり、デルタも更なる飛躍を目指します。
これから同期コンビの活躍にもご注目ください!

あっ、荒木って誰だ!?②:”近くのカフェで遭遇編”

こんにちは!
ご招待頂いたイベントがあり、一旦会社を抜け出し、自転車で向かおうとしたら…
近くのオープンカフェで会議をしている渡慶次と荒木に遭遇。

なんだか楽しそう…
そして、窓がなく、外に大きく開かれた空間で、発想が豊かになりそう。
時には、環境を変えての社外での議論、重要ですね…
(子供達の授業でオフィスは占拠され、追い出された2人がカフェで会議をしているだけですが)

うん…?あっ、荒木って誰だ!?

あっ、荒木って誰だ!?①: “某食品会社のキャリア研修提案編”

某食品会社からキャリア研修の提案依頼があり、これからクライアント会議へ!
世界が、会社の在り方が、そして職業観が大きく変わる現代。
”キャリア&人生デザイン力”は、非常に深く、面白く、重要なテーマですね。
このプロジェクトは渡辺と荒木で担当します!

いや〜、最高の天気ですね!よい1日をお過ごしください。

うん…? あっ、荒木って誰だ!?

7〜8月:探究サマースクール2024開催!小学生&年中・年長対象


探究の夏!チャレンジの夏!
せっかくの夏休み、いつも通りじゃもったいない!
家でも学校でもできない、ひと味ちがう学びの場をお子さんにプレゼントしませんか?

小学生向けの、「ファッション」「建築」「科学」のプログラムでは、
ココ・シャネルや安藤忠雄さん、ロバート・フックやレーウェンフックなど、偉人のチャレンジを追体験しながら、楽しく考える力を磨きます。
こんな面白い世界があるんだ!もっと知りたい!
各テーマの面白さを探究し、子供達のワクワクに火をつける、偉人×探究プログラムです。

年中・年長向けには「はじめての映画」と「はじめてのおつかい」の2つのプログラムを実施!
コマ撮り動画を作ったり、自分たちで買い物・サンドイッチ作りに挑戦したりと、
子ども達の好奇心に火をつけ、挑戦する力を育むプログラムをお届けします。

詳細はこちらからご覧ください。
https://whatisyourdelta.com/common/data/delta_information.pdf

▼プログラム内容

《小学生》

・点火プログラム:好奇心と才能に火をつけよう!「科学」「ファッション」「建築」(小学校1−6年生対象、1〜3日間コース、広尾開催)
 ※預かり延⻑(有料)もございます
▷お申し込みはこちら:
・点火プログラム:オリジナルコマ撮りを作ってみよう!「はじめての映画」(半日コース、広尾開催)
・デルタチャレンジプログラム:自分たちで買い物に挑戦する「はじめてのおつかい」(半日コース、広尾開催)
▷お申し込みはこちら:

針の先は本当に尖っている?顕微鏡をのぞいてみると…!?

今日はとある日の授業をご紹介!
顕微鏡の授業では、科学者・ロバートフックの挑戦を追体験しています。
ロバートフックは自ら設計した顕微鏡を使って、身の回りのありとあらゆるものを観察しました。
そこでまず手にしたのが針とカミソリ。
皆さんは、これらを顕微鏡で覗くとどうなっていると思いますか?

「針は刺したら痛いもん。絶対に鋭く尖っていると思う!」
「カミソリは切るための道具なんだから、まっすぐになっているに決まってるよ」
生徒も仮説を考えて顕微鏡をのぞいたところ…びっくり!
針先は丸くなっており、カミソリの刃はまっすぐではなく、欠けたような凹みがありました。

ロバートフックはこんな言葉を残しています。
「“最も尖っているもの”とみなされている針でさえ、見れば見るほど大変不正確である。
反して、自然の作り出したものは、観察が深まるほど優れた美しさを私たちに示してくれる。」

人間が作り出すものが完全ではない一方、植物の棘や蜂の針などは驚くほど精巧にできています。
自然ってすごい!ロバートフックと同じように、生徒たちもそんな驚きを感じたようです。

顕微鏡を覗く子供達の表情にもご注目ください。
きらきらと目を輝かせながら驚く姿、まさに点火の瞬間です!


生徒の様子はこちらからご覧ください。

お天気がよいですね。よい週末を!

【大人も点火中!科学の授業開発の裏側】

デルタスタジオでは、子供達だけでなく、大人のスタッフ達も自ら点火しています!
先日、科学の新規プログラム「顕微鏡を覗いた偉人達」を渡慶次や松田が開発する模様をご紹介しましたが、これを機に日浦も顕微鏡の世界に夢中に

「卵の殻はどうなっているんだろう!?」という好奇心を満たすべく、嬉しそうに顕微鏡を覗き込んでいました。

問い:「卵の殻はどうなっているんだろう?」

仮説:「呼吸のための穴が空いているのでは?」

観察:(顕微鏡で観察をしたら)「うわぁ!想像以上にきめ細やかな穴がある!」

考察:「なぜこの穴の大きさなんだろう?ヒヨコ(胚)が酸素を取り入れるための穴をあけつつ、白身がこぼれ出ない、そして異物が侵入しないようになっているのでは?通すだけでなく、通さないための絶妙な穴の大きさ…よくできてるなぁ」

文系出身の日浦、「こんな風に科学の世界に触れていたらな〜」と少し悔しそうな様子も…
自分で興味を持って実際に見てみるvs教科書で知識として知る、両者には大きな違いがあります。
授業ではそんな科学の楽しさや面白さを伝えられたらと開発に取り組んでいます。

皆様も素敵な週末をお過ごしください。

開発の様子はこちら