こんにちは。あっと言う間に桜は散ってしまいましたが、最後の最後まで我々を楽しませてくれました。
見てください!この美しい「桜の絨毯」!
1週間前のオフィス前の桜並木。満開の桜も美しいですが、散った後の「桜の絨毯」も美しいですよね。
そして、今日、地面をふと見てみたら、白い花は消え、茶色、緑、濃いピンク色のまだら模様に。
まさに季語にある「桜蕊降る(さくらしべふる)※」、異なる味わいがあり美しいですね!
ちょうど、子供向けの新規プログラム「顕微鏡を覗いて科学・医療の世界を前進させた3人の偉人たち!※※」を開発中なのですが、
生徒達に劣らず、顕微鏡に点火している我々は、早速、白い桜の花と濃いピンクの桜しべを観察してみました。
ミクロワールドともまた違った美しさがそこに!
そんな中、ふとノーベル物理学賞受賞者、リチャード・P・ファインマンのこんな話を思い出しました。
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ある芸術家が、リチャード.ファインマンに向かってこんなことを言い出した。
「あそこに、美しい花が咲いていますね? 芸術家はその美しさを観賞し称賛するが、科学者は一ばらばらに分解しようとする。それじゃあせっかくの美しい花が台無しだと思いませんか?」この言葉を投げかけられたリチャード.ファインマンは、「何をばかなことを」と少しあきれながら、次のように答えた。
科学者にも花を愛でる心はある。それどころか、科学者だからこそ、より深く愛でることができる。花の美しさが外観だけにとどまらないことを知っているからだ。花を形作る細胞、分子、さまざまな生物学的反応、複雑に入り組んだ幾多のシステムーそういった内部構造までもが美しいのだ。そこには、驚きに満ちた素晴らしい世界が広がっている。それに、ちょっと考えてみてくれ。花は虫を引き寄せる。ということは、虫にとっても花は魅力的な存在なのだ。そうやって考えていくと、進化、認知、光について次々に疑問が湧いてきて、どこまでも探究したくなる。
「科学を通して見る花は、なお一層美しい。科学のおかげで、うち震えるほどの感動と、吸い込まれるような神秘に触れることができる。台無しにするどころか、畏敬の念を深めるばかりだ。」
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ご興味がある方は、是非こちらのビデオをご覧ください!
https://www.youtube.com/watch?v=ZbFM3rn4ldo
まさに桜が僕らに与えてくれた楽しみ。
この楽しみ、そして美的視点&科学的視点を生徒達に届けられたと思います。
素晴らしい天気ですね。素敵な週末をお過ごしください!
※「桜蕊降る」とは、桜の花びらが散ったあとに、萼(がく)と蕊(しべ)が花柄(かへい)とともに落ちること。 地面に落ちた桜蕊が地面を赤く染める様子にも、美しさを見出だした言葉。
※※ロバート・フック、レーウェン・フック、ルイ・パスツール