#DX人材育成 デザインシンキング研修

DX推進の肝は人材育成
東京ガス様のDX人材育成を後押しする
デザインシンキング研修を実施

東京ガス株式会社
  • 東京ガス株式会社
    DX推進部 DX統括グループ
    中嶋 綾様
  • 東京ガスコミュニケーションズ株式会社 日高 真美様

DX推進の出発点は、“人”を育てること

―御社はDX推進に力を入れられ、DX注目企業にも選定されていますが、今回の研修実施の背景を教えてください。

中嶋様

弊社の「DX推進」の取組は、「DXとは何か」を手探りで探ることからのスタートでしたが、取り組みを重ねた結果、現在は次の2つの「X」の実現を目指すことを柱に、取組を進めています。
1つ目はビジネスモデルの変革。ビジネスモデルを一から見直し、新たな価値を生み出すビジネスモデルを創出、実現することを目指しています。
2つ目はビジネスプロセスの改革。日々の業務など、ビジネスプロセスを改革することで、アウトプットの質の向上やプロセスの効率化を図ることを目指しています。
その「DX推進」を実現する第一歩として「人材育成」を重視し、2022年度よりDX人材の本格的な育成を開始しました。
現在、デルタスタジオさんにはDX活用人材を育成する基礎教育の一講座として、デザイン思考プログラムを実施していただいています。

知識やツールだけでは変革は起こらない

―「デザイン思考」は、ユーザー視点で課題を深く理解し、試行錯誤を繰り返しながら創造的に解決策を生み出す思考法です。DX教育というと、プログラミングやITの知識などが中心になりがちですが、デザイン思考を取り入れているのは、どのような狙いがあるのでしょうか?

中嶋様

「DX推進」とは、D(デジタル)という手段を活用し、X(トランスフォーメーション)を生み出すこと、というのが弊社内の共通認識です。
人は“D”、つまりデジタルの知識やスキルのほうが学びやすく、取り掛かりやすいのですが、本当に大事なのは、どんな“X”を生み出すのかということだと思います。

弊社のDX推進部は2023年度に発足いたしましたが、以来、DX推進部長以下、DX推進部全体が、「変革、改革を生み出すことこそがDXの本質だ」と繰り返し社内に発信し続けています。
そうした中で、御社にお願いしているデザイン思考のプログラムは「どうすればXを生み出せるか」を考えるために非常に有効なものだと感じており、より効率的に、効果的に価値あるものを生み出すプロセスを学び、実践できる機会をつくることができていると思っています。

単に手段(デジタル)を学ぶだけでは、何かを生み出し、変革、改革を起こすことは難しいと思います。
「こうあったらいいな」「こういう状態をつくりたい」と思い描く力があってこそ、変革、改革は進んでいく、その考え方を学ぶ場の1つとして御社のプログラムを位置付けています。
「あなたがやりたいことをやってください」「何をすべきかを自分で考えて動いてください」となると、戸惑うケースも多いと思うため、だからこそ、普段とは違う視点で物事を見る体験、自分の思考の枠を超えて考える体験がとても重要だと思います。デザイン思考は、まさにその「視点を変える」「思考の枠を超えて考える」ためのトレーニングになると感じていますし、こうした視点を持つ“癖”をつけることが、これからの変革、改革には欠かせないと強く感じています。

楽しさと実践力が生む成果、現場に活きるDX研修

―受講者からの反応はいかがでしたか?

日髙様

弊社はDX人材育成として行っているすべてのプログラムにおいてアンケートを実施し、プログラムの改廃や内容の見直しに活用しています。アンケートにおいて、「デザイン思考」は高評価を得ていました。
具体的には、デザイン思考の基礎を非常に分かりやすく学べたこと、また講義と実践のバランスが良く、業務にすぐ活かせる内容であったこと、さらに、グループワーク中心の構成が効果的で、理論だけでなく業務に直結するスキルを習得できたこと、という点が評価ポイントでした。
また、多様な年齢や経験、異なる部署のメンバーでグループワークを実施できるため、そのグループワークを通じた交流で、あらゆる視点からの意見が得られ、新たな発見や気づきも得ることができたことも評価されていました。私もこれまでさまざまなプログラムの運営を行ってきましたが、「デザイン思考」を学ぶ場は、全体的に楽しく、生き生きとした雰囲気になっているなと感じています。

また、受講後に、学んだことを活用し、受講者がさまざまな形で業務において成果を上げていることも特徴です。
たとえば、「デザイン思考」でお客さまがどんな価値を大事にしているかを洗い出し自らアプリを開発してみた方もいれば、営業の現場でお客様対応に活かしたという声もありました。また、業務提案の検討に、デザイン思考のスキームを活用した、というご報告も届いています。
「デザイン思考」で学んだことを活用して、これまでとは違った視点で事象をとらえ、新たな気づきを活かして課題解決を行ったり、これまでの常識にとらわれない発想が生まれたり、実務での活用が広がっていると感じています。

中嶋様

御社のプログラムをはじめ、これまで取り組んできたDX人材育成によって、「変えてみることって面白い」「自分が良いと思っていたやり方にも、まだよりよくなる可能性がある」といった気づきを得て、前向きに行動を起こす社員が着実に増えてきていると感じています。弊社は変化に対して慎重な姿勢を持つ風土がありますが、「より良くするために変えてみよう」という意識が少しずつ芽生えてきているなと実感しています。

「知見×教え方」人に伝え、育てるプロ

―デルタスタジオの印象をお聞かせください。

中嶋様

近年、DXをテーマとし、多くの企業が研修や人材育成の領域に参入しています。
その中には、「自社に高度な技術があるから、それをそのまま教えればよい」といったスタンスで提案される企業もいらっしゃいます。確かに技術力は重要ですが、「人に伝え、育てる」ということは、それとは全く別の力だと思っており、伝えることをどう設計するか、どう伝達するかといった、とても高度な能力も必要となると思っています。
デルタスタジオさんは、“人を育てるプロ”としての姿勢を貫き、「どうすれば伝わるか」「どうすれば受購者が実践に結びつけられるか」という観点から、プログラムや教材を丁寧に設計されていることをとても強く感じています。本質を受講者に的確に伝え、実践を通じて定着させるプログラムが御社の大きな強みではないかと思います。